ブログタイトルについて
- 2016.08.14
- 感想
なんだか小難しくて、意味がわかりにくいタイトルですが、これは私が学生時代ゼミの授業で観た(VHSビデオで)舞台のタイトルをもじったものが由来です。簡単に言うと、何が正解かわかりにくい世界に自分の答えを書き綴りたいと思ったからです。
1981年、鴻上尚史さん率いる”第三舞台”の『朝日のような夕日をつれて』という舞台がありました。筧利夫さんや勝村政信さんが出演しており、面白いギャグがマシンガンのように連発されていたことが凄く印象に残っています。また、その一方で哲学的な要素もストーリーに内包されており、壮大なスケール感に当時とても感動しました。
『朝日のような夕日をつれて』を観て、「理想郷なんてない。神様を探すのではなく、誰にもすがらず、期待せず、自分の足で立って生きていこう。」という
ことが一番心に残っています。
そのメッセージが、冒頭と結末にメインキャストの5人から群唱される台詞が凝縮されているように思いました。
朝日のような夕日をつれて
僕は立ち続ける
つなぎあうこともなく
流れあうこともなく
きらめく恒星のように立ち続けることは苦しいから
立ち続けることは楽しいから
朝日のような夕日をつれて
ぼくは ひとりひとりでは耐えられないから
ひとりでは何もできないから
ひとりであることを認めあうことは
たくさんの人と手をつなぐことだから
たくさんの人と手をつなぐことは
とても悲しいことだから朝日のような夕日をつれて
冬空の流星のように
ぼくは ひとり
舞台のタイトルにも採用されている“朝日のような夕日”という表現は、1度観ただけでは解釈しにくいのですが、戯曲を読み返し考えてみると、不条理や理不尽の意味であるように思えました。つまり“朝日のような夕日をつれて”とは、不条理や理不尽と共に生きていかなければならないというような意味だと私は解釈しました。
物事というのは、その人の見る角度やタイミング、あるいは立場や思想、そしてその時の気分によって、捉え方が目まぐるしく変わります。色んな人がそれぞれに違った捉え方をするものですから、物事がスムーズに進まないことがしばしば起こります。社会人になってから、なおさらそのことを痛感します。
ある人にとっては朝日に見えているけど、別の人にとっては夕日に見えたりする。今日は朝日だと捉えていたけど、次の日はなんだか夕日のように見えてしまう。これではいったい何が真実で、正解なのかわかりません。経験である程度の予測は立つでしょうが、それは天気のように不確定で100%言い当てることはまず不可能です。
こんな状況が世界中で複雑に絡み合っているのですから、そこに不条理や理不尽が生まれてしまうのも必然と言えるかもしれません。 世界から戦争が絶えないのも、このことが一因ではないでしょうか。みんなが自分と同じ考え方になれば争いごとなんか起こらないのに!と、誰しも一度は思ったことがありますよね。
じゃあそんな世界に対してどう向き合えば良いのかと考えると、誤解を恐れずに言うと諦めるしかないと思います。良くないことが起こった時には、たまたま巡り合わせが悪くてツイてなかったね、というように捉えるしかありません。これは生きていく上での業(ごう)のようなものだと捉えて、うまく付き合っていくものと認識することが大事だと思います。
ただとてつもない不幸が起こった時に同じように思えるかと言うと、それはそれで難しい問題ではあるのですが…。ただ考え方としての基本ベースは、そのように捉えている方がうまくいくような気がします。
ただ逆に、不条理や理不尽がある世界というものを前向きに考えると、“誰も正解なんてわからないから、逆に全部正解”と捉えることが出来るのではないでしょうか。
どうすればいいかわからないと、岐路に悩んで親友に人生相談をしたところで、結局最後は自分で決めるしかありません。どれほど自分のことを知る親友でも、未来は誰にもわからないから正しい答えなんて用意出来ません。だから自分で決意して歩む道を決めたら、それがきっと正解です。というより歩んだ道で正解を作り上げることが重要なんだと思います。むしろどっちの道に進むかということは、決断することに比べたらは重要でないのかもしれません。
そう考えると人生ってホントは自由なはずなんですよね。しかし社会生活を営んでいると、なかなか踏み出す勇気がなくて思うようにいかない現実もあります。
自分もまだまだ世間に囚われているんですが、その世間からひとつ離れたところにいるブログからぐらいは、自分の感じたことをしっかり自分の言葉で表現していこうという想いを持ちました。それが朝日なのか、夕日なのかを自分の言葉で自分の意見を表現してみたかったのです。
このような考え?で、本ブログのタイトルに恐れ多くも引用させていただいた次第ですが、そんな大した内容を投稿できていなくて、ちょっと恥ずかしいです。いやほんと相当ヤバいぐらいです笑
とにかく、少しでも本ブログをお読みいただいている方に、私が感じたこと体験したことをリアルにお届けできればと思います。そして、いつかはきらめく恒星のようになれたらと願うばかりです。
ちなみに、「朝日のような夕日をつれて」は、キャストと内容をその時代に合わせて再演されており直近では、2014年度版があります。(これは私も観にいけました。)いつかレビューを書いてみたいなと思っています。
△ドンタコス
朝日のような夕日をつれて 21世紀版